賃貸物件に入居中、当初から設置してあった電化製品や給排水設備のトラブルに遭遇し、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、賃貸物件の初期設備とは何かを、具体的に例を提示してご説明します。
もし、破損や故障したときにとるべき対応や注意点についてもお伝えしますので、物件内の備品などがうまく稼働しない場合に備えてお読みください。
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弊社へのお問い合わせはこちら賃貸物件の初期設備とは?破損や故障することはある?
賃貸物件では、入居後に快適に過ごすことができるように整えています。
ウイークリーやマンスリータイプでは、消耗品だけの持ち込みで生活できるように設定しており、その他のタイプは居住者の個性が発揮できるようにするのが一般的です。
初期設備とは?入居中に破損や故障の可能性は想定内?
初期設備とは、貸主が提供を約束した住環境として設置したものであり、入居者が変わっても交換しない機器や備品が該当します。
借主にとっては居心地に直接関わることから、物件選びのときにこだわることも多く、検索条件にしやすい項目です。
設備の導入後、故障しない限り交換することはほとんどなく、入居者の入れ替わりのタイミングでの交換もおこないません。
そのため、入居中に故障や破損は起こっても仕方がなく、借主に必ずしも落ち度があるわけではないため、過度の心配は不要です。
初期設備について
入居するときに設置してあるトイレやお風呂の湯船、キッチンのシンクやコンロ、給排水システムなどが、初期設備の具体例です。
エアコンや食器棚、クローゼットなども物件によっては備え付けてあります。
これらは、通常の暮らしを営むための環境を構成するものと、生活の質を向上する要素です。
トイレやお風呂、キッチンは、スペースを確保してあるだけでは用をなさず、空調や給排水一式を含めたシステムを設置しなければ使えないものばかりです。
エアコンやクローゼットは入居者が自己負担で整えることもできますが、入れ替わるたびに設置と取り外しを繰り返すと物件の損傷も激しく、貸主も負担しきれなくなります。
そこで、貸し出す前に設置して入居者の利便性を高め、物件の差別化に利用しているのが、賃貸物件における初期設備です。
初期設備を見分ける方法は?
初期設備は、部屋を借りるときの賃貸借契約書、および重要事項説明書に記載してある付属設備です。
契約前に確認したいときは、物件を検索したときの部屋に関する説明で確認しましょう。
下見で記載してある内容に間違いがないかを確認し、入居後すぐに、破損や故障などしていないか、問題なく稼働するかなど、実際に稼働させて確かめましょう。
賃貸物件の設備が破損したときに借主がおこなうべき対応は?
賃貸物件において、初期設備の管理責任は貸主側にあります。
しかし、賃貸借契約書には、設置してある電化製品や備品の電球や乾電池などの消耗品は、交換作業も含めて借主負担です。
そこで、借主は破損したときの対応を知っておきましょう。
故意に備品などを破損したときの対応方法
壁や床、入居したときから住戸に設置してある電化製品などを腹立ちまぎれに壊したケースは、明らかに壊した借主が責任を負わなければなりません。
また、間違った使い方をしたために壊れた場合や過失による故障なども借主が責任を負う対象です。
壊したときや故障させた場合、すぐに修理を依頼する前に貸主側に連絡して、壊れた原因や成り行きを説明してください。
管理会社などからの連絡に従い、提携する業者からの連絡を待つなどして修理するのが通常の方法です。
決して隠さない、放置しないようにするとともに、連絡先として登録した電話がつながるようにするなどして誠実に対処しましょう。
災害によって生じた破損はどのような対応が望ましい?
大雨や台風による浸水被害の他、突風や地震による窓ガラスや備品の破損など、自然災害による住戸内の被害は必ず管理会社や貸主に報告しましょう。
大規模な災害では、電話がつながりにくくなることも多いことから、その日のうちに連絡できないケースになっても、あせらずに行動してください。
うまく説明できない場合は、スマートフォンなどで撮影し、メールに添付するなどの方法も有効です。
入居時に説明を受けた緊急時の連絡先や連絡方法にしたがって、必ず報告するようにしてください。
破損を長期間そのままにしてしまったときの対応は?
うまく稼働しないシステムや備品を長期間そのままにしたことが原因で故障した場合は、早期に対応すれば故障を防げたとして、借主が修繕費用を負担する対象となります。
使用している空調や給排水システムのつまりなどを察知したときは、借主が対処できる場合と専門の会社に依頼しなければ回復できないこともあります。
空調などから異音や異臭がする、給湯システムから冷たい水しか出ないときは、経年劣化の可能性が高いため、貸主側に報告して悪化を避けましょう。
賃貸物件の設備の破損や故障に関する注意点
賃貸物件の初期設備は貸主の所有物であることから、修繕費用などを借主が負担するのは、故意や過失以外はほとんどありません。
しかし、例外として残置物が破損したときや退去時の原状回復についても、入居前から注意点として把握しておきます。
入居前から知っておきたい!残置物に関する注意点
残置物とは、あなたが契約する前に入居していた方が残したものです。
初期設備には該当しないため、破損や故障した場合の修繕費用は、使用した方が負担します。
しかし、入居時に部屋に置いてあると、物件の備品と勘違いしてしまうのも仕方ありません。
そこで、契約前の下見のとき、資料にないエアコンや家具などを見つけたときは、その場で同行した不動産会社を通じて、残置物ではないかと確認をしましょう。
下見で気づかなかったときは、入居した段階で契約書の付属設備にて確認を行い、貸主側に相談します。
そのまま使用して良いと通知を受けたとき、使用するつもりがあれば私物として使い、使う気がないときはその旨を伝えて撤去方法や費用負担を相談しましょう。
本来、残置物は入居前のリフォーム工事で撤去しますが、エアコンなど物件の住環境を快適にする効果の高いものはそのまま貸し出すことも珍しいことではありません。
誰の所有物でもありませんが、使用する場合は修繕費用だけでなく維持費用も含めて責任を果たしましょう。
退去するときに慌てない!原状回復に関する注意点
賃貸物件の原状回復とは、国土交通省のガイドラインでは、入居した室内にもどすことではないとしています。
賃貸物件は、普通に暮らしてもそれなりに劣化するため、借主が常識の範囲を逸脱した使い方をしたことが原因の劣化が生じた場合にだけ、費用を負担しなければなりません。
たとえば、掃除や手入れを適切におこなった場合は、床や壁に多少の傷やシミがあっても経年劣化の範囲内であり、原状回復の対象外です。
しかし、入居後掃除を怠ったためにカビが大量に発生した場合などは、通常の使い方ではないことから、原状回復しなければなりません。
多少のシミや傷に対して費用請求を受けることはないため、気を遣いすぎず、賃貸物件での快適な生活を楽しみましょう。
まとめ
賃貸物件に入居前から設置してある設備を破損したときは、緊急時の連絡先など貸主側に報告するなどの対応が必要です。
故意や過失などの場合は借主側が費用をしなければなりませんが、災害の場合は貸主が負担して修繕します。
破損や故障に遭遇した場合は、隠さずに貸主側に報告するなど誠実な対応を心掛けましょう。