大阪市は大阪府中部に位置する市で、近畿地方最大の人口を誇り、全部で24区があります。
なかでも東成区は製造業で大阪市政を支え、下町情緒を感じる、区域面積が小さいながらも活気がある存在です。
今回は、そんな大阪市東成区の住みやすさを解説すべく、東成区の概要・住環境・家賃相場をご紹介します。
東成区の住みやすさ解説①概要
東成区は大阪市の東側に位置しており、北は城東区、南は生野区、西は中央区・天王寺区、東は東大阪市と接しています。
東成区の人口は、令和2年度のデータによると約8万5000人です。
区域面積は4.54平方kmと浪速区に次いで2番目に小さく、人口密度が市内で4番目に高い特徴があります。
韓国・朝鮮籍の居住者が多い生野区と接することから、24区内のなかでも外国人登録人口が多いことも特徴の1つです。
大阪市の都市計画が策定される前から市街化が進んでいた影響から、細い路地が錯そうしたり、木造住宅が密集したりと旧市街のおもかげを残す地区が多くあります。
公園は区内に23か所整備されていますが、区民1人あたりの公園面積で見ると市内平均を下回っています。
緑あふれる環境整備が望まれるものの、現時点でも大きな公園があるため、自然を十分に楽しむことができるでしょう。
このほかにも、日本有数のモノづくり企業が集積する東大阪市と接するため、製造業が盛んであることも東成区の特徴に挙げられます。
東成区を含む4つの東部地域で見ると、大阪市内の全事業所の約34%を占める工業地域へと発展しました。
区内には中小の町工場が多く集積し、大阪市東部の工業地帯の一角としての役割を担っています。
大阪のモノづくり産業の特性である多様性を色濃く感じられるエリアといえます。
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東成区の住みやすさ解説②住環境
続いて東成区の住環境について、公共交通や買い物、医療施設、区民の口コミに焦点を当ててご紹介します。
公共交通について
東成区の公共交通機関は、大阪メトロの路線が3本、JR環状線、近鉄線がとおっており、とくに大阪メトロは移動手段の中心的存在です。
難波への移動は電車で10~15分で到着できますが、大阪府外への移動はやや時間がかかるでしょう。
バスは、大阪市営バスを利用して移動できます。
朝は15分間隔で1本走っていますが、お昼ごろは30分に1本程度に減少するようです。
最寄り駅が遠く、バス利用を検討する場合は事前に時刻表をチェックしておくと安心です。
また車での移動に便利な阪神高速13号が、東成区を経由しています。
中央区方面や東大阪方面など、東成区を東西に移動する際に便利に活用できる道路です。
買い物
東成区は、買い物環境が充実しているという評価が多くあります。
乗り換え駅の今里駅周辺にある「今里商店街」は、区民の多くが利用する商店街です。
全長約2kmの間に商店が軒を連ねており、屋根が続いているため雨を気にせず買い物できます。
今里商店街にはスーパーマーケットだけでなく、青果店や精肉店、鮮魚店、惣菜店など、日常の買い出しに事欠かないお店が揃っています。
コンビニが多いため徒歩圏内での買い物もしやすいほか、自転車圏内なら大型のスーパーマーケットやデパートなども利用可能です。
医療環境
東成区は、医療環境が充実している点も魅力です。
今里駅周辺にあるビルには、内科・歯科・眼科・皮膚科など複数の医療施設が入っているため、このビルだけでもさまざまな不調に対応できるでしょう。
総合病院は数少ないですが、個人病院は数多く存在しています。
そのため最寄りの病院やクリニックを見つけやすく、通院の負担を軽減できるはずです。
緑橋駅の周辺には、比較的規模が大きな病院がそろっており、なかには全国各地から患者さんが訪れるといわれるハイレベルな病院もあります。
デイサービスやショートステイが可能な介護施設も増えてきていますので、年配の方も暮らしやすい住環境です。
口コミ
東成区に実際に住んだことがある方の意見も、参考になる部分が多いはずです。
ここでは、東成区の住みやすさに関する口コミを見てみましょう。
●スーパー・商店街・デパートが徒歩や自転車圏内でたくさんあり、いろんな沿線の駅が近くにあり通勤や通学にとても便利
●交通量の多い幹線道路が近くにある為、夜中に走る救急車の音や暴走バイクや車の音がうるさいと気になる時がある
●運送屋さん含む会社の方、個人商店、近所の方が私だけでなく子供達にも話しかけてきてくれてうれしい
●トラックの排気ガスが毎日、私の住んでいる辺りだけですが少し臭う
●少しマイナスイメージから入ったが、住んでみるとファミリー層が多く、安心して住めるので住んでよかった
区民の口コミでは、ご近所付き合いの良さや活気あふれる雰囲気を評価する声が多く見られました。
あいさつや声かけが活発なので、下町の風情が感じられ、区民にとっての魅力となっているようです。
また「区内全域を自転車・青パト・徒歩でパトロールしています」との情報もあったため、治安の面はほとんど心配ないでしょう。
「学校もいじめ等も今のところありません」とのことなので、お子さんがいらっしゃるご家庭も安心ではないでしょうか。
しかし住みやすさのマイナス面として、住むエリアによっては騒音やにおいが気になるという意見がありました。
交通量が多い道路の近くでは、周辺環境を注意深くチェックする必要がありそうです。
また、「よく知らないおじいさんおばあさんに声をかけられるので慣れていない方にはきついかもしれない」との意見もありました。
東成区特有の明るい雰囲気は人によって感じ方が違うため、自分の価値観が地域の特性と合っているかを確認する必要もありそうです。
そのほか交通面では「電車のアクセスがよく、近鉄線と大阪市営地下鉄に徒歩で行ける」「交通量が多く、小さな子供がいる家庭は危険な地区」といった意見が挙がっていました。
東成区は、車での移動より公共交通機関での移動のほうが快適にできそうです。
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東成区の住みやすさ解説③家賃相場
最後に、東成区の家賃相場をご紹介します。
東成区の賃貸物件で、部屋の広さごとに家賃相場を見てみましょう。
●ワンルーム~1LDK:4.18~8.62万円
●2K~2LDK:5.32~11.16万円
●3K~3LDK:5.00~13.32万円
●4LDK以上:12.68~19.70万円
比較のために、北に接する城東区、南に接する生野区の相場もご覧ください。
城東区の家賃相場
●ワンルーム~1LDK:4.05~8.00万円
●2K~2LDK:5.36~10.91万円
●3K~3LDK:5.70~12.23万円
●4LDK以上:12.27~16.08万円
生野区の家賃相場
●ワンルーム~1LDK:3.99~7.04万円
●2K~2LDK:4.99~8.93万円
●3K~3LDK:6.63~9.59万円
●4LDK以上:13.13~17.02万円
近隣の家賃相場とは、ほとんど大きな差はありません。
住環境の良さもほぼ同等レベルのため、住む場所を決める際は、家賃相場よりも地域の特性に着目したほうが良いでしょう。
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まとめ
大阪市の東成区は、下町情緒を感じられる温かい街です。
市内移動の交通アクセスや買い物環境・医療環境が整っているため、一人暮らしやファミリー、ご年配の方など幅広い層の方におすすめのエリアです。
引っ越しを検討中の方は、ぜひ東成区でのお住まいを考えてみてはいかがでしょうか?