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高齢者は家を借りにくい?賃貸借契約で大家が考えるリスクと審査への対策

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カテゴリ:賃貸契約の豆知識

高齢者は家を借りにくい?賃貸借契約で大家が考えるリスクと審査への対策

年老いると、賃貸物件の入居審査にとおりにくくなるのではないか、頼れる家族が近くにいなくて大丈夫なのかと、さまざまな不安があるでしょう。
高齢者と呼ばれる世代が賃貸借契約を結ぶ際に気になるリスクから、入居審査に臨む前にやっておくべき対策などをご紹介します。

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日本の高齢者の割合と賃貸借契約の制限に関して

日本の高齢者の割合と賃貸借契約の制限に関して

60歳以上の人口が増え、年老いてからの一人暮らしや夫婦のみでの暮らしをする割合も増加し、日本の住宅事情は大きな変化を迎えています。

60歳以上の方の約11%は賃貸物件に住んでいる

日本の2018年時点での総人口は約1.2億人で、そのうち28%となる約3,500人が60歳以上の高齢者が占めています。
内閣府が毎年おこなう「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」の調査結果では、65歳以上の方がいる世帯数は1990年では26.9%だった割合が、2018年では47.2%にまで増加しています。
しかし、必ずしも子ども世帯と一緒に暮らしているわけではなく、高齢者が単身、もしくは夫婦のみと暮らしている割合も増えているのです。
三世代同居が当たり前だった1980年は、65歳以上の方が単身、もしくは夫婦のみで暮らす割合は26.9%でしたが、2018年には全体の半数を超える58.9%となっています。
住宅の所有割合を調査すると、持ち家に暮らすのは全体の88%で、約11%の高齢者は民間の借家やアパートなどの賃貸物件で暮らしているとわかりました。

入居者間・近隣とのトラブルを懸念した制限

賃貸借契約では年齢制限を設けてはいないので、一般的には審査にとおりさえすれば何歳でも部屋を借りることができます。
しかし、入居者間のトラブルや近隣への迷惑行動などを懸念して、賃貸物件の所有者である大家からさまざまな制限をかけるケースもあります。
たとえば、定年退職による収入の低下や認知症などの健康面への不安など、高齢者が賃貸借契約に制限を受けるのは、これらの理由があるからです。
国土交通省がおこなった調査結果では、入居審査の通過しやすさは60代が49.1%であるのに対し、70代になると半分以下の22.6%にまで下がりました。
トラブルになりそうな可能性が高ければ、賃貸経営をおこなう大家にとってはトラブル回避のために入居を制限せざるを得ないと言えるでしょう。

高齢者の賃貸借契約は難しい?厳しくなる審査の理由

高齢者の賃貸借契約は難しい?厳しくなる審査の理由

高齢者が部屋を借りる賃貸借契約の入居審査に通過しにくい理由には、次の3つのリスクが起きる可能性が高いと考えられているからです。

安定した収入を得続けることができるか?家賃滞納リスク

賃貸借契約において重要な審査ポイントは、毎月の家賃を遅延することなく支払い続ける安定した収入があるかどうかです。
多くの企業が60歳で定年退職を迎えますが、その後の収入が年金だけになる方は、入居審査が少々厳しくなる可能性が高まります。
内閣府の「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」によると、高齢者の1年の収入額でもっとも多いのは200〜250万円で、約4分の1の世帯で家計にゆとりがないと感じています。
収入源のすべてが公的年金や恩給に頼る世帯は52.2%を占め、そのほかの収入源を持っていたとしてもほとんどの世帯で公的年金の占める割合が高いことが、審査の厳しさに繋がっているでしょう。

認知症などの病気が原因の徘徊や失火リスク

認知症などの病気を発症するリスクや、病気による徘徊や近隣とのトラブルも審査が厳しくなる理由の1つに挙げられます。
本人にその自覚はなくとも、病気によって深夜に徘徊したり、自分の部屋を間違えたり、家賃の支払いを忘れたりなどのトラブルが考えられます。
故意にトラブルを引き起こしているわけではないとわかってはいても、話し合いでの解決が困難であり、解決の糸口が掴めないのもこの問題の難しいところです。
現在の日本の法律では、トラブルを起こした入居者であっても強制的に退去させるのが難しいため、初めから入居審査を厳しくして、対策を立てています。

高齢者の一人暮らしは孤独死が不安視される

60歳以上の一人暮らし世帯や夫婦のみの世帯が増えているということは、万が一の場合には孤独死になってしまうリスクが考えられます。
孤独死では、誰にも見つけられずに数か月経過してしまうことがあり、発見が遅れた分だけ室内の傷みが激しくなり、事故物件として扱わなくてはなりません。
事故物件となってしまえば資産価値の下落は避けられず、次の入居希望者を集めにくくなるので、大家としては大きな損失と言えるでしょう。
また、入居者が亡くなった場合、室内にある遺品や賃貸借契約そのものが相続人のものとなるため、大家が勝手に整理することができません。
しかし、赤の他人である大家が相続人を調べることは難しく、相続人からの連絡がなければ、室内の整理などができなくなってしまうのです。

高齢者が賃貸借契約を安心して結ぶための対策

高齢者が賃貸借契約を安心して結ぶための対策

入居審査は厳しくなっても、しっかりと対策をとって出向けば、高齢者でも問題なく賃貸借契約を結ぶことができるでしょう。

健康面と経済面に不安はないことをアピールする

前項にあるように、大家が懸念するポイントは入居希望者の健康面と経済面の2つで、まずはそのどちらにも不安がないことをアピールすることが対策となります。
介助がなければ日常動作が困難となるような病気にかかっていないこと、遺伝的な病気の不安もないことを伝えましょう。
また、同じ地域内ではなくても、すぐに頼れる家族が近くにいる点や利用できる行政のサービスなどをすでに調べてきているなども、審査の対策として有効です。
経済面への対策には、安定した収入があることはもちろんですが、貯蓄もしっかりとしてきていることがわかると良いでしょう。

高齢者向けの賃貸物件なら年齢で不安になることはない

賃貸物件のなかには入居希望者のさまざまな特性に合わせた物件があり、高齢者が住みやすいシニア専用住宅ならば、賃貸借契約を結べないと不安になることはありません。
高齢者向けの賃貸物件なので、バリアフリーに対応し、生活支援から緊急時の駆け付けサービスなど、さまざまなサービスが揃えられています。
基本は介護を必要とせず、自立した生活ができる方に限られており、自由な暮らしを楽しみながら、いざという時には頼れる安心感がある賃貸物件です。
入居希望者の特性に合わせた賃貸物件なので、無理に対策する必要もなく、自分の収入に応じた部屋を探すことができるでしょう。
支援の内容など、サービスには賃貸物件によって異なるため、ご自身がどのような暮らしをしたいのか、支えてほしい部分はどこかを具体的に考えてみることをおすすめします。

自治体の取り組み!家賃等債務保証制度の利用

最後の対策は、自治体と協定を結んだ民間の保証会社がおこなう取り組みで、高齢者や障がい者向けの家賃保証制度です。
一般的な賃貸物件への入居審査に通過するのが困難な高齢者や障がい者でも、自治体が協定を結んだ保証会社が保証人となり、協力不動産が仲介する物件に入居ができます。
対象の自治体に1年以上住み続けていることや親族や知人などの緊急連絡先があることなど、いくつかの条件を満たすことで利用可能です。
保証期間は賃貸借契約と同じ2年間で、賃貸借契約の更新と同じく更新することができるので、安心して長く住み続けられます。

まとめ

大家が着目するリスクを把握し、しっかりと対策をして入居審査に臨めば、何歳であろうと審査を無事に通過することができるでしょう。
安心した暮らし、住みやすい住居でこれからの人生を過ごすために、どのようなサービスが利用できるのかを考えてみてください。

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